カテナシア創業にあたって
〜医療経営をプロデュースする〜
2003年が終わろうとする頃、日本を代表する大手コンサル会社に入職し、奮闘していた私に、社内の新規事業、医療事業プロジェクトに参画するチャンスが訪れました。医療のイの字もわからない私が、産婦人科の専門コンサルタントとして活動を始める契機になった年です。
産婦人科は、「おめでとう!」「またおいで!」と言える唯一の診療科と言ってよいと思います。
“Happy”が溢れる空間で、毎日仕事ができるのはとても幸せなこと。
しかし、実際の現場風景は過酷そのものでした。母親と赤ちゃんの命を同時に守り、支える仕事。医師、看護師、コメディカルの全員が身を削って頑張る姿を目の当たりにしたのです。
ノウハウや情報を提供する第三者的なコンサルティングでは足りない。院長やスタッフの皆さんと一体となり、日々迫る問題を一緒に考え抜き解決する。我がコンサルタント人生の全てを賭けてやり抜く場所はココにある!と覚悟を決め、今日までやってきました。
院長、スタッフ、患者様の3方が納得し、幸せになること。愉しく、充実感を持って永続できる環境を日々追求すること。
気付けば、延べ約一万人以上の医療従事者と面談を繰り返し、管理職育成のプロ、女性診療科のプロ、女性マネジメントのプロになっていました。
近年は、見聞を広げるために、クライアントの皆様と共に海外視察ツアーも開催しています。欧米、アジアをはじめ、諸外国の勢いに生で触れてみると、日本のムードとの違いを感じずにはいられません。
海外では医療機関であっても、マーケティング部門が存在し、顧客(患者)が今、何を求めているのかをリサーチし、変化・進化を妥協なく続けています。
日本国内でも、一般企業において、競争を生き抜く戦いの中、考え抜いて得た経営の方法、スタッフの教育方法が多くあります。企業経営の方法と、医療経営とが上手く融合することで、次世代型医療経営、スタッフマネジメントのイノベーションが起こせるものと考えています。
景気後退、少子高齢化が確実な日本において、知らず知らずのうちに、患者様だけでなく、スタッフまでもが目先に囚われ、自分だけを大切にし、お金や待遇のことばかりに執着する傾向が強くなっています。2011.3.11を起点に、我々はどれほどに変われたのでしょうか。
心のつながり、思いやりの気持ち、和を尊ぶ仲間同士で、安心して仕事がしたいと思うのは必然だと思います。
日本の医療業界には、世界に誇る高い技術と、素晴らしいウーマンパワーが存在しています。日々、多くのウーマンパワーを見ていると、これからの時代を切り開くエネルギーは、女性マネジメントの中に答えがあると思えてなりません。
診療に集中したい、経営に集中したい、マネジメントを円滑に進めたい。経営トップ、執行責任を負う管理職の皆様は、日々、多くの難問と向き合い続けています。皆様の問題を解決するために、常に新しい方法を一緒に考えるのが自分の役割だと自負しています。
これからも複雑化する医療経営にイノベーションを起こすべく、プロデュース活動を続けていきます。
2011年1月5日
株式会社カテナシア
代表取締役 川崎 光雄